第40回 EVENTIDE ECLIPSE

今回は、前回のSTEVE VAIのBallerina 12/24のトピックで触れた今年最後の散財について書きたいと思います。
今年最後のトピックになるであろう区切りの第40回目はEVENTIDE ECLIPSEの紹介をします。
第40回 EVENTIDE ECLIPSE
空間系エフェクター漁りの旅も、とうとう行き着くところまで来た感があります。
分かる人には分かると思いますが、まあ、一言でいうなら、「お前、身の程をわきまえろよemotion04アマチュアがこんなん買ってどうすんのよ?」という完全プロスペックの一品です。
定価346,500円face08 新品なら市場価格250,000円以上でしょうか。
実は今年最後の散財はコレだけにとどまらず、程度の良いストラトも一緒に入手しました。face03
エクリプスもストラトも破格値であり、まさに千載一遇の機会で、これは行っとかなきゃダメでしょうということで勢いでいきました。
いくらなんでも、道楽に金かけるのにも程があると思われそうですが、実はコレを下取りに出したところ、予想以上の思わぬ値がついたということもあり、思い切って決断しました。
下取り代だけではさすがに資金不足だったので、諭吉さん3人に手伝っていただき、めでたく入手しました。
値段のことは野暮なので明かしませんが、普通ではなかなかできない本当によい買い物でした。
破格値でエフェクターとストラトを手に入れることができたのも驚きでしたが、15年間使用してきて、その間、ロクに手入れもしていなかったギターがあれだけの高値で引き取ってもらえたことが一番の驚きでした。face08

さて、EVENTIDEというメーカーですが、昔から高品質なディレイ、リバーブやハーモナイザーと呼ばれる高品質なインテリジェンスピッチシフターを開発し続け、その製品は今も昔もプロギタリストのラックの中に組み込まれています。
ジミー・ペイジ、フランク・ザッパ、ブライアン・メイ、エディ・ヴァン・へイレン、スティーヴ・ヴァイ、エッジ、ジョン・ペトルーシ、日本でもB’zの松本氏、SUGIZO氏、GRAYのHISASHI氏等々本当に多くのトッププロが使用しています。
前回のヴァイのあの曲はピッチシフターとディレイを組み合わせた独特のエフェクトサウンドが特徴となっていますが、ヴァイ本人は1990年当時、最新鋭であったH3000というラックエフェクターを使用してレコーディングをしていたかと思います。

さて、ECLIPSEですが、そのH3000の2台分に相当するDSPエンジンを搭載している、現在、EVENTIDE製品の中核を担うマルチエフェクターです。
その音質は前述した蒼々たるメンツのギタリストが認めた音だけあり、本当にスゲーとしかいえない音が出ます。
ハーモナイザーや変態モジュレーションサウンドといったいわゆる飛び道具系もよいのですが、リバーブの自然な感じが一番驚きました。
昔からエレキギターにリバーブをかけるのはあまり好きではなかったのですが、カルチャーショックというか、ちょっとリバーブに対する認識が変わりました。
これならかけっぱなしでもいいと思える音です。
また、加工されても線が細くなることなく太い音が出てきます。

搭載エフェクトの構成ですが、YAMAHAのmagic stompと同様で、コーラス、ディレイ、リバーブ等々、自分の必要なものをチョイスし組み合わせていくタイプではなく、各エフェクトの組み合わせたアルゴリズムを選択するタイプです。
ゼロベースから積み上げて音色を煮詰めていくのではなく、プリセットプログラムの中から自分のイメージに近いものを選び、調整をして仕上げていく感じでしょうか。
おそらくH3000等も同じ仕組みだと思われます。
アルゴリズムを2つ組み合わせることができるため、かなり複雑なサウンドメイクができます。

操作性は、個人的には可もなく不可もなくといったところです。
テンキーと大きなロータリーエンコーダーで各パラメータ数値を変更します。
マニュアルを読まなくても基本的なことは触っているうちにできるようになったので、操作は分かりやすいとは思いますが、正直、コンパクトエフェクターのような明快さにはかなわないと思います。
日本語マニュアルは本当に簡素なものだし、英文マニュアルは僕の能力では理解するのに時間がかかるので詳細が知りたい時などは困ります。
hot keyと呼ばれるショートカットをプログラムごとに割り当てることができるので、よく変更をするパラメーターを割り当てることで操作性を向上させることができます。
プログラムごとのパラメーターの数は多いので、音作りは結構難しい印象を受けます。

最近のエフェクターらしく、以前所有していたt.c.electronicのG-SYSTEMと同様にソフトウェアのアップデイトをすることで内蔵プログラムを増やしたり、不具合を修正することができます。
現在、var.4で、ギターアンプをシミュレートしたプログラム、同社のコンパクトエフェクターのTIME FACTOR(ディレイ)、MOD FACTOR(モジュレーション系)のパッチプログラムが加わりました。
ギターアンプは外部ペダルを接続し踏み込んでやることで、フィードバックを擬似的に起こすことができます。
結構リアルで、これだけでも、かなり遊べます。
TIME FACTOR、MOD FACTORについては以前に半年程、所有していた時期があり、操作方法も含め、どんな音が出るか分かっているのですが、同じ音がポンポンと出てくるので思わず弾きながら笑ってしまいました。(同じメーカーが作っているのだから当然といえば当然ですが)
実際の音に関しては、こちらをご覧いただければ、そのクオリティがよく分かると思います。

エフェクトのプログラム切り替えの際の音切れがあるのが玉に瑕です。
値段が値段だけに、この点については、もうちょっとどうにかならないものかと思います。
音切れの長さはデータの重さに比例しているようで、気にならない場合もあります。
ECLIPSEのみでライブパフォーマンスをし、頻繁に音色を切り替える場合は少し厳しいかもしれませんね。
トッププロのようにラックシステムに組み込んで、音色のひとつとして使用するのが正しい使い方?なのかもしれません。
まあ、自分としては、今現在はライブをやる予定もなく、専ら宅録専門なので音切れは全くもってノープロブレムです。

入出力については、さすがプロ仕様なだけありアナログ以外にデジタルもS/P DIFのコアキシャル、オプティカル、ADAT、AES/EBUを完備しています。
ちなみにウチの環境では、接続方法的に正しいかどうかは分かりませんが、ギターアンプ(Hughes & Kettner ZenTera)からECLIPSEをコアキシャルで、ECLIPSEからオーディオインターフェース(MOTU Traveler)をオプティカルで、それぞれデジタル接続しています。
そもそもデジタルアウトができるコンボギターアンプなんてあまりないと思うので、こんな接続方法をしている人はあまりいないでしょうね。
非常に気持ちいい音が出てくるので、接続方法としては特に間違っていないのかなと思います。

さあ、これから、しばらくお付き合いすることになりそうなので、はやく手なずけなければ。

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