第29回 Hughes&Kettner ZenTera ②

前回の機材紹介に引き続き、Hughes&Kettner(ヒューズアンドケトナー)のモデリングギターアンプZenTera(ゼンテラ)について書きたいと思います。
第29回 Hughes&Kettner ZenTera ②
アンプの基本的な部分については前回紹介したとおりですが、このアンプには、エフェクターも搭載されており、ZenTeraだけで音作りが完結できるようなシステムになっています。
エフェクトそのものは、それほど奇抜なものはなく、ワウ、オートワウ、コンプ、チューブスクリーマー、ファズ、ミッドブースター、空間系としてコーラス、フランジャー、フェーザー、ディレイ、リバーブといったオーソドックスなものばかりですが、さすがにエフェクトのクオリティは高く、どれも使えるものになっています。

エフェクトの操作性ですが、各エフェクトのパラメータは2つしかありません。
ファズで言えばゲインとレベルの2つだけ。
ディレイでいえばディレイタイムとフィードバックの2つだけ。
コーラスでいえばモジュレーションの速さと深さの2つだけ。
あとは原音とエフェクト音とのミックスバランスレベルが調整できますが、操作できるのはそれだけです。
前に所有していたT.C.electronicのG-SYSTEMなんかは1つのエフェクトごとに10くらいパラメータがありました。
エフェクトの質そのものは文句の付けようがないものでしたが、正直かまえるところが多すぎるため、途中で訳が分からなくなって、「まあ、こんな感じでいいや」となるパターンもありました。
ZenTeraのこのシステムは必要最小限のパラメータであるため、訳が分からなくなることは絶対に有りません(笑)。
パラメータ2つはアンプのコントロールセクションの隣にある2つのツマミで操作します。
ツマミで操作できるので、コンパクトエフェクターと同じ感覚で操作ができます。
操作が分かりやすいっていうのは大きなポイントだと思います。

プログラムパッチは128種類用意されており、1番~100番までが書き換え可能で、101番~128番まではデフォルトプログラムで書き換え不能となっています。(1番~28番と全く同じプログラムパッチになっています。)
普通に使用する分には20種類もあれば十分なのではないでしょうか。

専用フットコントローラーであるZ-BOARDですが、前にも触れましたが、たかがフットコントローラーなのに定価73,500円もします。
第29回 Hughes&Kettner ZenTera ②
確かに値段に見合うだけの頑丈そうな作りはしています。
2つ搭載されているペダルなんかは、どっかの工場に置いてある機械のようなルックスです。
2つのペダルはそれぞれボリュームペダルとワウペダルになっていますが、ワウペダルについては、別の機能をアサインすることが可能です。
例えばアンプのゲインをアサインすると、ペダル操作でアンプのゲインをコントロールできたり、ディレイタイムをアサインしておけば、リアルタイムでディレイタイムをコントロールすることができます。
アイディア次第で面白いことができそうです。

また、他のアンプにあまりない機能としてS/P DIFによるデジタルアウトプットを装備していることが挙げられます。
これにより24Bit、44.1kHzのデジタル信号で音を出すことができます。
理論上、信号を劣化させることなく外部ミキサーやレコーダーに送ることができます。
大規模な会場等でシールドを引き回さなければならない場合には役に立ちそうです。

実はこのアンプを入手してから色々調べて知ったのですが、布袋さんの2003年リリースのアルバムDOBERMANは、このZenTeraを使用して製作されたそうで、ツアーの際は、デジタルアウトで直接、卓に送り、レコーディング時と同じ(CDと同じ)サウンドをライブで再現していたそうです。

うちの環境では、アンプからデジタルでオーディオインターフェース(コンピュータに接続して録音する機器)に送っていますが、アンプとオーディオインターフェースとの距離は50cm程しか離れていないため、デジタルでもアナログでも聴感上違いが分かりません(笑)。
(まあ、デジタルってだけで劇的に変わってしまったら、うちのアナログ環境って一体どうなのよって話になって逆に困るんですが)
せっかくある機能なので使わなきゃもったいないという理由だけでデジタルアウトで録音しています(爆)。
メリットといえばステレオアウトなのにケーブルが1本で済むことでしょうか。
まあ,多少なりとも音質改善につながっていると思いたいところです。
ちなみにBOØWYのMORALをデジタルアウトで録音しました。
曲こそ違いますが、ハイウェイに乗る前にとアンプのセッティングそのものは全く一緒なので聞き比べてみると面白いかもしれません。 

あと、細かい部分で、アンプのプログラムのメモリー記憶用の内蔵の電池について触れておきます。
こういった機器を中古で買うと、いつ電池が切れるんだろうと心配になりますが、ZenTeraは充電式のバッテリーを搭載しているため、こまめにアンプに電源を入れて使ってやれば、電池の交換は必要ありません。
電池交換のためだけにメーカーに高い送料を払って交換してもらったり、自己責任で分解して電池交換しなくても済むのはありがたい話です。

以上、2回にわたって、ZenTeraの紹介をしてきましたが、自分自身まだまだ使い切れていないので、今後、じっくりと研究したいと思います。
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この記事へのコメント
小嶋です、cha-keyさんのブログを、時々、私のFacebookやひだっちブログで紹介させて頂いていいかなぁ。勿論、ネガティブな事は、決してコメント致しません。
Facebookは高山の人も、もう百人規模になって、交流会なんかも頻繁になって来ました。ほとんど、斐高の卒業生ばかりですが。(笑)
cha-keyさんの音楽もすばらしいのですが、文章も、なんか非常に起承転結というか、論理的展開で素晴らしいと私には思えるのです。
敬具
Posted by 鬼金 at 2011年05月16日 08:31
鬼金さん
どうもご無沙汰しています。たまに鬼金さんのブログも拝見しております。
思ったことをグダグダと書き綴った、うちのブログのネタごときでよければ、どうぞご自由に紹介して下さい。
コメントも別に変に気を使っていただかなくても結構ですよ。
率直な意見であれば、自分にとって面白くない意見でも、自分を見つめ直す機会にもなりますし。
いかにも攻撃的なのは勘弁してほしいですが。
さて、Facebookですが、ちょっと病的な程に心配性な性格でして、実名制ってところが妙に引っ掛かり、あと一歩が踏み出せません。
数年前までクレジットカードで買い物をすることですら、スキミング等が心配で躊躇していたくらいですので...。
ここ数ヶ月の間に日本でのシェアも随分伸びてきたみたいですね。
僕自身は、もう少し様子を見たいと思います。
Posted by cha-keycha-key at 2011年05月16日 20:30
おはようございます。
御職業柄、実名を出せない場合は、少し難しいかもしれませんが、市役所の幹部も、市内のFacebook友達を増やしています。
やはり、(スキルフルな)営業職の人は、物凄く仕事が取れそうな雰囲気です。
高山、斐高の高学歴旋風が、Facebookの高山の非公開グループ "飛騨・高山Facebookさるぼぼ会"で、盛り上がっています。
いわゆる、高山の中年オピニオンリーダーと簡単に知り合いになれます、そして、飲み会・会合も、もう複数でき上がっています。

高山のFacebook使用者は、200人は越えているはずです。その中で、価値ある情報発信者は、10人くらいでしょうか。cha-keyさんも入れると、11人になります。♪♪

注:クレジットカードは、海外にレンタルサーバーを借りる場合等は、PayPalを使う為、必須です。私は、クレジットカードを持っていませんが、親戚のカードでPayPal登録ができるはずです。
Posted by 鬼金 at 2011年05月19日 07:23
鬼金さん
いろいろと教えてくださりありがとうございます。
確かにビジネスで活用するのであれば、Facebookは有効な手段だろうなと思います。
ただ僕のいる業種では、いくつかのイントラネット等により仕事上のネットワークがすでに確立されており、現状ではFacebookを導入する必要性はないと感じています。
もっと一般的になって、自分自身に大きなメリットがある状況になるまで利用することはないかなぁ。
ちなみに僕は飛騨地方在住ではないんですよ。実は...。
Posted by cha-keycha-key at 2011年05月19日 21:30
 
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