3月になり、だんだんと暖かくなってきました。
東日本大震災から、間もなく1年を迎えようとしています。
被災地復興ということで、自分も本当に微力ながらも協力をしてきたのですが、最近、少し意識が薄くなりかけていることも事実です。
3・11を目前に控えた今、改めて復興支援というものを考える必要があると思っています。
さて、第43回目である今回は機材紹介ということで、前々回の
WORKING MANで使用したディレイについて紹介をします。
あの強烈なSOS(サウンド オン サウンド)とヘリコプターサウンドの正体ですが、1983年にリリースされた
ROLAND SDE-1000というラック式のデジタルディレイになります。
見ての通り、色使いといい、少し時代を感じさせる雰囲気のエフェクターです。
うーん。自分、まだ小学生ですね。その頃...。
上に乗せてあるEventideのECLIPSEの洗練された感じとは対照的です。
本家である布袋さんは、これの上位機種であるROLAND SDE-2500という機種を使用してみえるようです。
また、布袋さん以外にもROLAND SDE-2500や、さらなる上位機種であるSDE-3000は今でも多くの内外のトッププロのラックの中に納められていることから、このシリーズは、デジタルとはいえ、ある意味、ヴィンテージサウンドとして認められているのかもしれません。
デジタルなのに、その割には柔らかくて暖かみのある音がします。
その辺りがプロに認められている理由なのかもしれません。
このディレイの最大のウリはディレイに、癖のあるモジュレーションをかけられることだと思います。
もしかしたら、最近の機種でも同じことができるのかもしれませんが、コレと同じような質感の音は中々作れません。
自分の設定の仕方がマズいだけかもしれませんが...。
さて、SOSとヘリコプターサウンドについて説明をしますが、実はSDE-1000単体だけでは、あのサウンドは再現できません。
SDE-1000の背面には外部コントロール端子が付いており、フットペダルを接続し、ディレイのON,OFFや、ディレイホールドのON,OFF,プログラムチェンジのコントロールを行うことで、SOSとヘリコプターサウンドを作っています。
ヘリコプターをやるには、ディレイとホールドを同時にONする必要があります。
これを、それぞれ単独のフットペダルでやろうとすると、同時に2つのフットペダルを踏む必要があります。
両足を使って踏む?、レーサーのようにヒールandトゥーで踏む?
どちらにしても、かなり難しい芸当になります。
実際、ギターを弾きながら、同時に2つのフットペダル踏んでも、かなりの確率で失敗し、まともなペリコプターサウンドにはなりません。
布袋さんは英国のエフェクトマイスターであるピートコーニッシュ氏が作製したシステムでフットペダルひとつで、簡単にヘリコプターを飛ばしています。
何とか、あんな風に簡単にできないものかと思い、ネットで調べていく中で、どうもフットペダルの出力に二股のセパレートジャックを使用し、信号を分岐してやるとディレイとホールドを同時にON,OFFできることを知りました。
早速、購入し、試してみるとバッチリできました。
あれだけ苦労してヘリコプターを飛ばしていたのが、嘘のように、簡単に確実に飛ばせることができるようになりました。
あまりに簡単に飛ばせるようになったため、調子に乗って、さらにもう1台SDE-1000を入手し、フットペダルも増設しました。
ということで、現在、うちのSOS・ヘリコプターサウンドのシステムですが、2台のSDE-1000とBOSSのフットペダルFS-6とFS-5Uで構成されています。
見た目は大掛かりな、このシステムですが、ケーブル類も含めても1万円でおつりが出るかなり安上がりな予算で仕上がっています。
前々回の
WORKING MANですが、愛用のギターアンプ
ZenTeraのアナログのステレオラインアウトのL、Rそれぞれに1台づつSDE-1000に接続して、SDEの出力をオーディオインターフェイスに送って録音しました。
せっかく苦労して作ったシステムなので、またSOSやヘリコプターサウンドをフューチャーした曲をやりたいと思っています。