第33回 ZEMAITIS S24 MT CUSTOM

cha-key

2011年08月17日 18:03

あっ!という間に、お盆休みも終了し、また慌ただしい日常が始まります。
今年のお盆休みはパタパタしていて、休んだという感覚があまりありません。

さて、機材紹介ということで、今年の春先に手に入れたギターを紹介します。
ギターを手にするようになってから随分と長い時間が過ぎました。
やってる年数の割には、決して上手くはないし、ここ数年は人前で弾くことも、ほとんどなくなったけれども、多分、ジジイになるまで弾き続けると思います。
ならば、ここらで、一丁、一生モンのギターを手に入れてもいいのではないかと思い、思い切って買ってしまったのがコレです。



ZEMAITIS S24 MT CUSTOM (ゼマイティス メタルフロント カスタム)
新品を買うような財力はないので、程度の良い中古を探して入手しました。
中古でも30万円弱でした。
一生モンにしては値段的にケチってないかい?とツッコミが入るかもしれませんが、それでも今まで買った楽器の中で一番高価なものです。
いわゆる飲む打つ買うという習慣はほとんどないですし、同じ趣味でも車とかに比べたら、まあ、これくらいの贅沢はかわいいらしいものでしょう。と自分に言い聞かせてみる。

購入の理由として、東日本大震災もきっかけの一つになりました。
人の命の儚さとか、あの世までは金を持っていくことはできないとか。
冗談は抜きにして、これまで人生の半分くらいを生きてきて、縁起でもない話ですが、これから先、あとどれだけ生きられるのかってことを考えた時、欲しいものを買える時に買って、楽しめることができるのならば、自己満足といえど、それはそれで幸せなのではと強く思います。
シリアスな話になりましたが、そんなわけで、とにかく一生モンの買い物をしてしまいました。

さて、あらためて、このZEMAITIS S24MT CUSTOMについて紹介しますが、その前にまず、ゼマイティスというギターメーカーについて簡単に説明します。
フェンダーやギブソンのような超有名メーカーと比べると、それほど有名なメーカーではありませんが、そのギターから発せられる圧倒的な存在感からプロアマ問わず多くのファンがいます。
もともとはトニー・ゼマイティスという家具職人が若い頃にギターを買うお金がなかったので、自分でギターを作ったのがゼマイティスの始まりといわれています。
その後、改良を重ね70年代からエリック・クラプトンやビートルズのジョージ・ハリスン、ローリングストーンズのロン・ウッドといったスーパースターが使用するようになり、それ以来、ゼマイティスはギタリストにとって憧れの的になりました。

日本で有名になったのは、布袋さんがGUITARHYTHM Ⅲで使用してからでしょうね。
ちょうど、その頃から、いわゆるコピーモデルというヤツが世の中に出回り始めます。
コピーモデルといっても、ピンからキリまであるわけですが、有名どころとしてはチューンとかゼファー、そしてグレコが挙げられます。
コピーモデルでも10万とか20万とかするわけで、簡単に買うというわけにはいきませんが、トニー・ゼマイティス本人が作成したオリジナルモデルは、現在では、普通に500万円とか1,000万円とかするので、それに比べれば安いものです。
トニー・ゼマイティスは2000年代に入って高齢のため現役を引退しました。
しかし、彼の跡を継ぐものはおらず、このままではゼマイティスのギタークラフトの技術の継承が途絶えてしまう。
そんな中、完成度の高いゼマイティスのコピーモデルを作成した実績のあるグレコの親会社である神田商会が、トニー氏に対してゼマイティスブランドを譲って欲しいと打診し、交渉を開始したようです。
交渉の途中で残念ながらトニー氏は突然他界してしまうのですが、その後も遺族と交渉を続け、神田商会が正式にゼマイティスの名を受け継ぐことになったようです。
トニー氏が作ったオリジナルモデル以外は全てコピーモデルだと言ってしまえばそれまでです。
そういった意味では現行の神田商会のものもコピーモデルなのでしょうが、本家から製造工程を教わり、ゼマイティスの彫金を担っていたダニー・オブライエン等のスタッフの監修のもと、採寸等もオリジナルを再現し、ゼマイティスの名を堂々と名乗ることができることを考えれば、本家が唯一認めたコピーモデルといえるのではないでしょうか。

ゼマイティスのモデルには、大きく分けてボディトップ全面に貝をあしらったパールフロント、ボディトップにのメタルプレートを貼り付けたメタルフロント、トップ材にインレイをあしらったスーペリア、ボディトップ面の中心に円形のメタルプレートを貼り付けたディスクフロント等が挙げられます。

個人的にはゼマイティスといえばメタルフロントというイメージがあり、いつか買う日が来るならばメタルフロントを買ってやると決めていました。



で、念願かなって入手したのが、この新生ゼマイティスのS24MT CUSTOMなのですが、実は既に生産終了になっているモデルです。
メタルフロントのラインナップの中では彫金の度合いも少なく、デザイン的にかなりシンプルなモデルになっています。
最近のメタルフロントはバリバリに彫金を施したド派手なモデルが多く、それはそれでゴージャスでいいのですが、個人的にはゴチャゴチャし過ぎている感じがします。
S24MT CUSTOMくらいの派手さがちょうどいい感じです。彫金が少ない分?値段も安いし。
実際に手にしてみると、重厚そうな見た目とは違い、意外と軽いのには驚きます。
ボディ形状が似ているのでギブソンのレスポールとよく比較されるようですが、ネックはレスポールより薄いといわれています。
手元にレスポールがないので何ともいえませんが、薄いネックの部類に入る手持ちのヤマハのパシフィカと比べて、それほど違和感がないということは、それなりに薄いということになると思います。
サウンド的にはメタルプレートによりノイズが軽減されているとか、ジュラルミン削りだしのブリッジ、ハードテールで音のサスティーンが稼げるとかいわれているんですが、ノイズとかサスティーンなんてアンプのセッティング次第で変わるので僕の口からは何ともいえません。
まあ、サスティーンについては、フロイドローズタイプユニットを採用しているパシフィカと比較すれば当然ゼマイティスの方が伸びますが...。
ピックアップはディマジオ製のゼマティス専用のピックアップが搭載されています。
パシフィカにもディマジオの専用のものが搭載されていますが、パシフィカのものと比較して出力は弱いかなと感じます。
といっても、決してパワー不足というわけではなく、コードを一発鳴らした時の音の分離もイイ感じです。
パシフィカのパワーがありすぎるのかもしれませんね。
メタリックな外観から金属的な音をイメージされるかもしれませんが、実際の出音は意外と柔らかい音が出ます。
ごめんなさい。正直、音に関しては基本的にアンプとエフェクターで作るものと考えているため、細かいピックアップの違いにはそれほどこだわりません。
さすがにシングルコイルとハムバッカーの違いくらいは気にしますが...。

申し訳ございませんが、手持ちのギターだけでは比較対象が少なすぎて十分な検証ができず、これくらいの記事しか書けません。

このブログで公開している曲ではBOØWYのハイウェイに乗る前にMORALBELIEVEでゼマイティスを使用しています。
しかし、これらの音を聞いても、これがゼマイティスの音かといわれると、そう言い切れるものでもなく、前述のとおり、アンプのセッティングによるところが非常に大きいと思います。
ちなみに、アンプはHughes&Kettner(ヒューズアンドケトナー)のZenTera(ゼンテラ)を使用しており、RolandのJC-120のモデリングを選択しています。

ある意味、ゼマイティスは鑑賞品ともいえるようなギターですが、楽器である以上、弾いてナンボのものだと思います。この先、遠慮なく弾き込んでいきたいギターです。

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